日本は水に恵まれた国で、水の味も良いといわれていますが、帯広市の水道水は、その中でも特に「おいしい水」のひとつです。
厚生省(現在の厚生労働省)の「おいしい水研究会」は昭和60年4月「水道水のおいしい都市」として全国10万人以上の都市198市の中から32市を発表しました。北海道では、2市が選ばれ、そのうち1市が帯広市で、全国的に「おいしさ」が認められました。
「おいしい水研究会」が「おいしい」とした水質要件には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、炭酸ガスなどが適度に含み、有機物や臭気はきわめて少ないことなどがあげられましたが、帯広市の水道水はこれらの要件をすべて満たしています。
水質項目 | おいしい水の要件 | 摘 要 | 帯広市水道水 R5年度平均値 |
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蒸発残留物 | 30~200mg/L | 主にミネラルの含有量を示し、量が多いと苦味、渋味などが増し、適度に含まれると、コクのあるまろやかな味がする。 | 56mg/L |
硬度 | 10~100mg/L | ミネラルの中で量的に多いカルシウム、マグネシウムの含有量を示し、硬度の低い水はクセがなく、硬度が高いと好き嫌いがでる。カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦味を増す。 | 22.5mg/L |
遊離炭酸 | 3~30mg/L | 水にさわやかな味を与えるが、多いと刺激が強くなる。 | 4.1mg/L |
過マンガン酸 カリウム消費量 |
3mg/L以下 | 有機物量を示し、多いと渋味をつけ、多量に含むと塩素の消費量に影響して水の味を損なう。 | 1.0mg/L |
臭気度 | 3以下 | 水源の状況により、様々な臭いがつくと不快な味がする。 | 1以下 |
残留塩素 | 0.4mg/L以下 | 水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくする。 | 0.22mg/L |
水温 | 20℃以下 | 夏に水温が高くなると、あまりおいしくなく感じられる。冷やすことによりおいしく飲める。 | 12.8℃ |
旧厚生省「おいしい水研究会」(昭和60年4月)より
水道水に残留塩素があるということは、「安全である証」ですが、帯広市の水道では塩素注入量を必要最少限にしています。
水道水を家庭でおいしく飲むには、水を冷やすこと、余分な成分を除くことが必要になります。
残留塩素を除く方法としては、容器に一晩汲みおく方法が簡便です。沸騰させて塩素をとばす方法もあります。一般的にはこれで十分ですが、浄水器を使う方法もあります。
水道水は「安全で安価な水」を提供する目的で作られます。
ミネラルウオーターなどの容器入飲料水は、生水が飲用に適さない欧州などの地域で飲用として販売する目的で作られたものです。
ミネラル成分の量は、国内産のほとんどは「軟水」で水道水との差はありません。外国産のものは「硬水」で、日本人に不足しているといわれるミネラル(カルシウム)補給の効果はあります。ただし、水質基準以上にミネラル分を含んでいるものもあります。
水道水のカルキ臭を嫌う人もいますが「カルキ臭は安全の証明」です。容器入飲料水は、容器詰めの段階で滅菌または除菌されたもので、塩素のように継続した殺菌力を持たないため、開栓後、直接口をつけて飲んだ場合、冷蔵庫に入れて保存したとしても雑菌が繁殖するおそれがあります。
容器入飲料水は2Lで200~300円ですが、水道水は2L1円以下です。
容器入飲料水は、次のように分類することができます。
呼称 | 水源 | 消毒など処理 |
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ナチュラルウォーター | 特定水源から採水された地下水 | ろ過・沈殿及び加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの |
ナチュラルミネラルウォーター | 特定水源から採水された地下水のうち、無機塩類が溶解したもの。鉱水・鉱泉水など | ろ過・沈殿及び加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの |
ミネラルウォーター | ナチュラルミネラルウオーターの原水と同じ | 上記以外に、複数の原水の混合、ばっき処理、オゾン・紫外線殺菌等をしたもの |
ボトルドウォーター | 飲用適の水、河川表流水、蒸留水、水道水 | 処理方法の限定なし |
帯広市上下水道部技術室水道課施設係
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